放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

憧れのマン島を踏んだ話

念願の地へ

 前回述べたが、今週は有給休暇でホリデーだった(入社2週目で1週間まるまる休めるのは素晴らしい)。で、向かった先はそう、

                       マン島

である。マン島と言えば島の公道を丸ごと使ったバイクレース:TTで有名である。それに合わせて渡英したにも関わらずフェリーの予約など全くせず船着き場に行くという愚行(ネットでの事前申し込みが基本)を披露した僕は、憧れのTT観戦を逃していた。

 

www.1jpsho.com

 

 TTは年に一度、人生で一番マン島の近くにいるにも関わらずそれを逃したため、結構落ち込んでいた。が、何度もくどいがただでは転ばないのが僕だ。友人からSouthern100(S100とも呼ぶ)というTTとはまた別のレースの存在を教えてもらって。実は就職先が決まる前からフェリーとホテルを手配していた(家と仕事が決まんなかったらそれ見て日本に帰る予定だった)ので、結果的にいろいろ頑張った報酬みたいになった。

 満を持してリバプールに凱旋。前回門前払いされた船着き場を難なくパスし、船に乗った。レース最終日にも関わらず船は7割ぐらい席が埋まっていた。船がマン島の港町ダグラスに着いた時には本当に感無量で。船着き場への第一歩は思わず踏みしめてしまった。

Southern100 

 レースが行われている南の町キャッスルタウンにはバスに乗り30分ぐらいで着いた。遠くで聞こえてくるレーシングマシンの甲高い音。興奮が止まらなかった。コースとなる道にたどり着いた時には既に16時前後で、最終レースを控え嵐の前の静けさといった感じだった。

 取り敢えず観戦するため適当に道路に近づこうとしていたその時、日本語が聞こえた。声の主に話しかけるとスポンサー関係者で、親切にも重要な情報を二つ「最終コーナーが見もの。S100見て楽しめなかったらTTは楽しめない、マン島レース初観戦がS100というのはグッドチョイス」とのこと。(いきなり本題を、しかも重要な情報だけをサラッとくれる人にたまに会うが、こういうのをダンディというのかな。自分はアツくなってついついしゃべりすぎてしまうタイプなので、こういうクールな御仁に憧れる。)

 というわけで最終コーナーまでえっちらおっちら歩きスタートを待つ。ウォーミングラップを済ませフルスロットルで走り始めるマシン。昨年一年間カブに乗っていたが、レーシングマシンとはこれほどまでに市販車と違うのかと感心するぐらい、速かった。

Castle town corner #isleofman #iom #southern100 #motorcycle

 それに音。初めてF4ファントム(ジェット戦闘機)を見た時を思い出す程の爆音だった。ダンディ御仁のアドバイスは的を得ていて、最終コーナーの石垣からマシンが姿を現し、マシンを傾けながらホームストレートに向けスロットルを開けていく様は圧巻の一言。最終ラップ、1位のバイクがウイリー(前輪を浮かせながら走る)しながらチェッカーフラッグを受ける姿、そして最後の走者がゴールするまで観戦者たちが拍手していたのが印象的だった。生きて完走するだけでも凄いことだということを再認識した。

 島はバスが発達していて、港町ダグラスから島の西へ移動、そのまま時計回りで島を周回しホテルへ向かった。奇しくもTTのコースと同じ道を走れたのでそこでもまた感激。その日は興奮冷めやらぬままホテルで夜を過ごした。

 栄光の裏に

 翌日はGooseneckという、TTレースの名所の一つともいえる有名なカーブを見に行った。カーブの脇にベンチがいくつか置いてあったのだが、それぞれに名前と年月日が刻まれたプレートが填めてあって。誤読してなければそこで亡くなった人を悼んで設置されたもののようだった。死と隣り合わせのレースなのだとつくづく実感した。(この件について、レーサーの方が文章を書いていたので挙げておく。『マン島に見る死生観/小林ゆき、伊丹孝裕、山下剛https://www.kurumaerabi.com/car_mag/list/6125/

 このカーブ、すごく辺鄙なところにあるため、行きも帰りもヒッチハイクした。人生初の挑戦だったが、島の人が親切なおかげか、すんなり成功した。こうして僕のヒッチハイクバージンはマン島に散ったのであった。

 最後に電車(トラムと呼んでいた)に乗り、のんびり島の景色を見ながらフェリーの待つダグラスへ戻った。

This is Man #iom #southern100 #tt #sidecar

 映像は汽車。きかんしゃトーマスのモデルだそうな。

 感想

 先ずマン島に行けたこと、そしてたった1試合、最終レースとはいえ観戦できたことが本当にうれしかった。人もいいし、海や山など自然も豊かなのでレース観戦でなくともまた行きたいと思う。勿論ダンディ御仁のアドバイス通り、S100を楽しめたので次回はTT観戦も視野に入れたい。

 最後に一つ。帰り道この方のブログ(『願いが叶う神話の島/珍国の嬢王』https://fanfunfukuoka.com/travel/28606/ )を読んでいて知ったのだが、島の標語Quocunque Jeceris Stabit(ラテン語)は「投ぐればいずくにでも、立たん(何度でも立ち上がってやる)」との意味だそうだ。転んでもただは起きない、バイキングの血を引くこの島に何処か惹かれるのはバイクが理由だけではないような気がした。