前回の続き/Day2
興が乗ったので前回の続き、Lightmanの四国お遍路編2日目から。
逆打ちアンビバレント
2日目は朝から曇天、どえらい山の中の20番札所から一発目がスタートし、次の21番札所へナビをセットし向かうが何故か現場の看板の案内と一致しない。
道に迷う暇などないのにと焦りながらも、とりあえず現場の看板に従って進むとロープウェイ乗り場に到着。調べてみると21番札所はクルマ遍路(徒歩のお遍路は歩き遍路と呼ぶそう)の最大の難所で、道が狭い険しい云々のレベルではなくそもそも自動車で到達できない場所にあるとのこと。写真の右上にあるのがロープウェイで、雲の奥に続く。
ロープウェイで隣に座ったマダムと世間話。曰く彼女は逆打ちなる1~88番ではなく88~1番の順で巡礼しているそうで、なんでもうるう年に逆打ちをするとご利益が増すとのこと。
リサーチも何もなく始めたものだからそんなこととは露知らず、少し損した気分に。しかしてご利益目当てでのお遍路は既に業が深いのではとか考えて悶々とする。
修行の道場
途中少し寄り道し四国最東端も踏破。四国を一周するということは全ての最端を踏むということ。逆打ちだろうが無駄打ちだろうが末端フェチは未だ健在も、ここからの高知県では土砂降りとなり一日中雨。
はじめて走る道で、まして雨の日のバイクなのでしんどいこと山の如し。極めつけにどこのお寺も駐車場と納経所が離れているため納経も濡れる。お遍路と雨は組み合わせが最悪で、兎に角辛く無性にみじめに感じた一日だった。それでも大雨の中進み続ける歩き遍路の人たちの姿を歩道に見た時には感心せざるをえなかった。
前日の想定を遥かに下回る28番札所でタイムアウト。予約済の宿まで少し距離はあったものの1時間圏内。寄り道して10数年ぶりに見た桂浜の坂本龍馬像はなんだかとても小さく感じた。
この日はゲストハウスで寝たが、雨風凌げる屋根の下で休めることがとても有難かった。翌日こそは挽回し43番札所前後まで行き松山に泊まろうかなどと皮算用をしていた。今思い返すとまだまだ大甘である。
晴れていく天気とは裏腹に
3日目、地面はまだ濡れていたものの雨は止んでおり宿から少し戻った29番札所からスタート。天気も徐々に回復し、昼過ぎには四国最南端の足摺岬とそこから程近い38番札所に到達したが、タイミング的に当初目標の43番には及ばず40番札所が関の山。思い返すと23~44番札所までの徳島南部―高知―愛媛南部は数字こそ刻まないものの各寺の距離が離れており、想像の倍以上の時間を要した。
急遽探した宿があまりにも辺境過ぎて度肝をぬかすも、当日昼の予約を受けて頂く・酒と白米を振舞って頂くなど本当によくして頂き有難かった。
しかしこのタイミングで、少し前から雲行きが怪しかったタイヤの溝がいよいよ少なくなり、タイヤ交換が必要となった。地場のバイク屋さん数件に電話してみるもそんなに都合よく在庫があるわけでもなく、四国最大の街松山のバイク屋さんでようやく発見。翌日タイヤ交換することにした。
テーマ変更
当初の予定では八十八カ所を巡り終わっていたはずの4日目の朝、自分は迷っていた。少しタイヤに不安はあるがそのまま41番から順に北上し松山を目指すか、一旦松山に行ってタイヤを交換した後にまた44番まで戻って巡礼するか。43番札所からは四国最西端が近く、行くなら44~53番まで一筆書きで行き、タイヤ交換をしてから最西端を目指すのが効率的である。あくまでテーマは超高速なのだから...
と思っていたが、いつの間にか無事に帰ることがプライオリティワンになっていた。恐らく一つはここまで43件全ての寺で交通安全ひいてはこの旅の安全を祈願していたから。そしてもう一つは親が愛聴するラジオで「旅はやり残しが一つ二つあった方がいい。かえって満足な旅になるし、また行くから」と話があったことを聞いていたから。結果無事にバイク屋にたどり着き開店一番でタイヤを交換、来た道を一旦戻るも53番札所まで到達できた。念願の道後の湯が最高だったことは言うまでもない。
最後に
翌日以降も好天に恵まれ、5日目はは54~70番、6日目に70~八十八番で無事満願となった。島を出る前にここにも寄った。
安心して走れるタイヤで瀬戸大橋を渡り、無事お遍路を終えることが出来た。無事でいることが、生き残ることの大事さを教えてくれた最高の旅だった。だから僕の四国最西端踏破だけはバージンのままである。
今週のお題「最近、初めて〇〇しました」