放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

眠れないクリスマスを過ごしている話

幸せな休日

 今は26日の朝4時。Boxing dayと呼ばれるクリスマスの次の日だ。由来は諸説あって、宗教的な命名や昔のお城の風習にちなんだものだという話など、聞く相手によって回答が異なるので詳細は不明。因みにパーティーの場で「なんでBoxing dayって呼ぶの?クリスマスパーティーで呑み過ぎた大人が戦うから?」とギャグをかますと以外にもウケた。

 題の通り僕は幸せな休日を過ごし、眠れないクリスマスの夜(もしくはBoxing dayの朝)にこうしてブログを書き認めているのである。どうしてこうなったのか今すぐにでも説明したいのだが、毎度のことながら更新があいているのでこの際一気に書いてしまおうという魂胆である。

Lightmanの一週間

13日金曜日

 朝起きると早朝4時だというのに家主妻が既に起きていて、リビングでテレビを見ていた。「Good morning」と声をかけると一言「No, It’s really bad morning」と返事が。テレビを見てすべてを理解した。総選挙である。家主夫婦が応援していた労働党は敗北。ボリス・ジョンソン率いる保守党が勝利したのだ。つまりブレクジット完遂が決まったということである。まあ僕はアジアの民なので正直ブレクジットは関係ないが。因みに職場のスタバでお客さんにこの話をするとやはりみんな同じようなリアクション。ブリストルは反保守が多い印象だ。

 

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 職場に行くと、クビになった前マネージャーに変わって新しいマネージャーが来ていた。しかしそんなことは気にせず辞表を提出(最終日が27日の予定)。残り3か月と極めて中途半端な時期だが、変わらない環境で不満を漏らし続けるよりも新しい環境にもう一度飛び込むことそしてそこで何かを得ること―に賭けた結果だった。

 仕事終わりにN爺が家まで迎えに来てくれて、彼らの別荘に連れて行ってもらった。ウェールズはMonmouth、クリスマス前だというのに兎に角静かな町だった。「都会にいると平和な時間が欲しくなる」というN爺夫妻の言葉の通り、静寂って言葉がよく似合う場所だった。またブリストルって都会なんだなというのを改めて感じた。日本人が少ないという理由だけでそれまで聞いたことがないようなこの街を選んだけど、確かにお店には困らないしまあ結果オーライだったかなと。因みにイギリスのタウンとシティは大聖堂があるか否かで区別するんだとか。

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monmouth #monmouthcounty

 久しぶりに何も考えない静かな時間を過ごせた…と書きたいところだが、N爺夫妻が喧嘩しだすわやたら絡まれるわでなんだかんだ慌ただしかった。ただ、晩御飯のフィッシュアンドチップスと就寝前に入ったBathはテンションがあがった。特にBathは、この国に来て半年になるが湯船につかったことがない(風呂場に湯船がなくシャワーだけ)テルマエの民には最早極楽だった。夜は別荘で寝た。

14日土曜日

 N爺夫妻の娘姉妹が住むバーミンガムに程近い街Dudleyに行った。娘さんたちと合流するまでの間、露店やセカンドハンドショップをうろうろしていた。むろん目的はクリスマスプレゼントの準備である。御年70の夫婦があれがいいだのこれがいいだのはしゃぎながら店内をうろうろする様は少し面白かった。というかまず、新品至上主義の日本人の僕からすると、クリスマスプレゼントがセカンドハンド(中古)というのはいささか奇妙だった。

 合流後は昼食と夕食を娘宅で頂いた。夕方、晩御飯まで時間があったので娘さんの旦那さんの車でバーミンガムに向かった。かつて勤めていたバーの支店があったので行きたかったのだが、車が混雑していたため引き返した。無念。ただ、彼らの馴れ初めの話を聞けたり父親としてのN爺の話を聞けたりしたのでいい時間だった。

 夕食は勿論「Strictly Come Dancing」を見ながら。9月から始まった番組もこの日が最終回。わざわざBBCのアカウントまで作成して投票していた推しのKelvinが優勝したので、嬉しかった。「自分は女の子が好きだが、それでもKelvinの筋肉美はセクシーだと思う」と言うとなんかウケた。夜は別荘に戻った。帰り道、街灯が一本もない森を走ったので怖かった。田舎の夜道が真っ暗なのは世界中同じ。

15日日曜日

 朝からMonmouthの教会でミサ。N爺はこの町に別荘を買って15年になるそうで、ブリストルとは別にこっちの教会とも縁があるのだという。檀家制度の日本では考えられないことである(多くの日本人が他の寺院の檀家でありながら清水寺などの著名な寺院に参拝していることは確かだが、それはあくまで宗教的なものではなく観光的なものだと推測する)。何よりすごいのが建てられたのが12世紀初頭であり、増改築はされているもののその当時の建屋がそのまま使われていることだ。初見にも拘らず、パンとワインをゲット。板についてきた。

 

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 ブリストルへの帰り道、Tintern Abbeyに連れて行ってもらった。古い修道院跡(いつの時代かのキリスト教を禁教にした王の命令で破壊されたとか)で、中には入れず外から眺めるだけだったが荘厳というかとにかくデカかった。そんなこんなでN爺夫妻と過ごした2泊3日の週末が終わった。車での移動にも拘らず、ちょっとした旅行であり楽しかった。

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 夜は職場の同僚、二人のポーランド人と飲んだ。スラブ系というだけでお酒に強そうな印象だったので身構えていたら、案の定だった。ポーランドから持ってきたウォッカでショットグラスカクテルを作り(ウォッカにベリーシロップとタバスコを加えたもの。Crazy Dogと呼んでいた)、わんこそばのようにワンショット飲んだと思ったらすぐに次を用意されそれが永遠に続いた。幸い三人で呑んでいたこともあり持ってきた瓶をすぐに空にしたのでなんとか生き延びた。自分とポーランド人のうちの一人は翌日のシフトがオープンからだったので10時前には切り上げた(因みに同僚は1時間遅刻)。

最後に

 3日分しか書いていないが長くなってしまった。まあどれだけ濃い週末だったかがわかる。言い訳がましくなるが、ブログを書いていると日々の出来事としてのハイライトをブログに書くぶん、従来の思考的なハイライト―紙の日記に書いていた「考えたこと」を整理する機会が減っている。ここ2週間更新が止まっていたが、こうして思い返しながら書くのも悪くないと思う今日この頃である。