放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

London Classic car showに行った話

アールデコ調の屋根の下で

 3月22日、倫敦:オリンピアホール。アールデコの美しい硝子張りの天井を持つ施設の中でそれは開催された。題の通り「London Classic car Show」、今回の英国滞在最後の乗り物イベントである。

 前日はヘンリープールに行ってポッシュな気分を味わったものの今回はこれのためにロンドンに行ったのだった。

生きた化石

 昨年日本のオートサロンにも行ったが、実用性を伸ばすこととは別のベクトルのカスタマイズやチューニングはあまり興味がなく大満足とはいかなかった。その点今回のイベントは全て実動車。しかも走っていることだけで価値があるような古い車、歴史ある車ばかりで勿論すべてナンバー付き。本体価格に合わせて保険や部品代を考えたらゼロが幾つあっても足りないような車ばかりだった。会場内に搬入されている様子を是非とも見たかった。入場ゲート入ってすぐに300SLがお出迎え。来場者もおじさまマダムはレトロ調の格好が多かったので、Goodwoodのノリでちょっとお洒落して行って正解だったと思う。

 

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 昨年のグッドウッドも十分凄かったのだが(イギリスは日本よりクラシックカーの文化が深いので感覚が狂う。例えば、日本では80年代後半、90年代の自動車を道で見ると「おっ!」ってなるがこっちでは当たり前。)、クラシックカーの中でも厳選された、より珍しく貴重な個体が展示されていたことが印象的だった。例えば実際にレースを走ったアウディクアトロのラリーカーや車体番号01のフェラーリ512BBやF355Challenge、ブルース・マクラーレン(現マクラーレンの創始者)が駆ったマシン、ひいては旧型のロンドンタクシー:ブラックキャブまで展示されていた。

 

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販売中

 興味深いのがその中に販売中のものが含まれていたことだ。販売中と書いてあったり具体的な値段が指定されてあったり。しかし一番印象深かったのはオークションである。出展者は個人だけでなく企業もいるわけで、その中にオークション会社がいたという次第だ。オークションの様子は毎日平日12時からあっているBBCの番組「Bargen hunter」を見ていたので馴染みがあった。面白いのは電話先の顧客が高額落札を続出させたこと、そして会場の落札者がそんなにお金持ちに見えなかったことである。

 今回イギリスで学んだことの一つが、オンオフしっかりしていれば常に高級なものを使う必要がないということである。日本にいると常に高級品や高品質なものを持つことを要求されている気がする。例えば財布に関してモテる財布・いい男の財布・イケてる財布等、(まあ多分市場の印象操作だろうけど)ネットや紙面のトピックスでごまんと見ている。しかしイングランドでは滅茶苦茶お金持ちの爺さんがマジックテープの財布を使っていたり、多分本当にお金持ちの人って(全員がとは言わないけど)何がお金を払う価値があるのかを理解しているからこそお金持ちなんだと思う。どこのブランド物でもないウインドブレーカーを着てフェラーリを落札した見た目が普通のおっさんを見て、ふとそんなことを考えた。

激アツポイント

 アツかったポイントは3点。1つ目は日本人として、アメ車イタ車ドイツ車の中に日本車が食い込んでいたことが誇らしかった。スカイラインGTRを見て「Oh cool,GODZILA」と言いながら写真を撮っていた若者を見て微笑ましくなった。

 2つ目はブリストルカーズが展示されていたこと。先日コンコルドを見に行った際ブリストルが本拠地の自動車メーカーがあることを知っていて、そのオーナーたちが出展していたので車を生で見ることが出来た。一言で言うと凄く奇抜な車で日本車でいう所の光岡自動車的な奇抜なデザイン(ブリストルカーズは自社製造)だが、ダサかっこいい雰囲気が妙に嫌いになれなかった。

 

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 3つ目は一番好きな車を初めて目の当たりにしたことだ。なんでもそうだが好きな分野でお金が無限にあったら何に乗りたいかというのは答えに困る質問だ。しかしその中で例えば自動車においてデザイン・所有感・希少性・コンセプト等総合評価で選ぶとしたら、僕はマクラーレンF1こそ究極の1台だと答えると思う。当時の市販車最速を記録しており、当然億越え。しかも台数もそんなに出回っていないのでこれまでの人生で見たことがなかった。この車を前にしたとき、ただただ美しいという感想しか出てこなかった。かっこいいしセクシーだし。実用の中にこそ美が宿るという言葉を具現化したような一台だった。

 
 
 
 
 
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最後に

 朝はノッティングヒルのストリートマーケットでハンチング帽を買った。£10也。クラシッククラシックカーを見た後はケンジントンのJAPAN HOUSEに寄った。で日本酒を見つけたので購入、みんなで晩酌した。翌朝の便だったがもう一晩泊っていいよってことでこの晩もN爺兄宅でお世話になった。

 予定ではロンドンで過ごす最後の土曜日だったのでナイトクラブに行こうと思っていたが、N爺兄たちとの話が盛り上がったので結局行かなかった。結局ロンドンのクラブは未体験だったので若干凹んだが、それ以上のことが待っているとはその時は知る由もなかった。