放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

異国の地で2週間NEETしていた話

脱無職

 イングランドでの生活もざっとあと2か月を残すところとなったが一つ大きな問題があった。前回前職の最後の給料が入ったのだが、このままだとどうも帰りの飛行機代を払うお金が足りないのだ。そう、スタバを辞めた今、僕は絶賛無職であった。

 

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 先週からボチボチインターネットで求人は見ているものの、6月に比べて募集が全然少ない。町を徘徊しようにも天気が悪い。G活のガーデニングも天気に大きく左右され、小遣い稼ぎにはいいがとても定職とは呼べない。これをNEETと呼ばずしてなんと呼ぶ。

古巣へ

 そんな自分がつい先日友人と散歩をしていた時のこと。友人が仕事を探しているというので、以前働いていた飲み屋に顔を出して人が要るかを聞いてみた。

 

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 その時はラッシュだったのでまた出直すと言って帰ったのだが、翌日マネージャーから電話が。仕事を探している奴がいるって?→今の自分の仕事は→無職です。この時近くにいたもんだから店に出向くことに。で、とんとん拍子で復帰することが決まった。人の就活を手伝っていたはずが、自分が就職してしまった。というわけ、一度は決別したはずの古巣に帰ることになったのである。

Lightmanの一週間

7日火曜日

 雨が降っていなかったので街をぶらぶらすることに。日本での就活の準備もしたかったので、パソコンを持って行った。喫茶店に入るのも良かったが、思い付きで図書館(市民図書館的な公共の施設)に行くことにした。

 8ヶ月もブリストルに住んでいるにもかかわらず、語学学校時代に一度行ったきり訪れていなかった。一階に蔵書とパソコンスペースそして児童書のコーナーがあったことだけを覚えていてそんなに広くない印象だったが、実は2階もあって二階にはより多くの蔵書や勉強机が並んでいたのだ。カフェもあり賑わっている一階と葉裏に、二階はとても静かだった。

 でWIFIを使うには図書館利用カードを作らなければいけなかったので作った。BRPカード(在留カード)の番号を控えてもらって用紙に名前と住所を書くだけ。年会費とかは無料で貸し出しの本を延滞したら一日50P払ってもらうってだけ。日本では大学図書館を利用しているので市民図書館でカードを作ったことがないから判らないが、早いし手軽ってのが感想。

 あと面白かったのは、公共の施設ということでホームレスの人がちらほらいたこと。冬だし外が寒いからか、閉館ぎりぎりまで中にいる人もいた。すごいのは、彼らも本を読んでいること。中には机で勉強している人もいた。トイレの洗面台で体を洗っている人を見たのは少しお?って思ったけど。ただ「ホームレスがいるからつまみ出して」なんて言う人が一人もいなくて、単に関心がないのかそれとも受容しているのかは分からなかったがカルチャーショックだった。

9日木曜日

 例の日本人会に顔を出すと、語学学校のメンバーが勢揃いだった。ほとんどが社会人で会社を辞めてイングランドに来たって人ばかりだけど、その中に自分と同じ4年に上がる前(三年の3月)に休学した人に会った。帰ったら就活だなんだとバタバタだねえという話をお互いにした。自分の就活次第だが、留学関係は2年から3年に上がる時がゴールデンタイムだと思う。

10日金曜日

 天気が良かったのでG活に行くとN爺も参戦した。御年70の爺さんが一人で手入れするにはちょっと広すぎる(電車4両分ぐらい)庭なので、やることが山積みだったが人員も二倍なので多くの仕事が出来た。

 

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 例年は夏の終わりに庭の手入れをして春に備えるそうなのだが、N爺が病気をしたこともあって今やっているとのこと。丁度僕もスタバを辞めて無職だったのでラッキーだった。大体どこの家も庭を持っているので、庭師は田舎の意外な収入源なのかもしれない。

 
 
 
 
 
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 家に帰ると家主夫妻がバカンスの準備をし終わったところみたいで、昨年に定年退職した旦那さんと先週定年退職した奥様が呑んでいた。なるほど第二の人生とはよく言ったもので優雅なものである。イングランドでは定年退職後はチャリテイーショップなどでボランティアをするかパートタイムで働くかが主流らしいが、ジュエリーづくりが趣味で仕事の傍ら(就職中は昼過ぎに帰宅していた)で制作を続けてきた家主はなんと自営を始めるらしい。

 そんな面白い旦那さんとは趣味も合うものがあって、その一つが時計だ。ムーブメントやデザインにこだわりをもって買う人(高いから買うってタイプではない)で、その日はタグホイヤーをしていた。そこでいいデザインだという話から、タグホイヤーは高級ブランドにもかかわらずロレックスと違って値段の幅も広いしモータースポーツに関わりがあるので購入を考えているという話をした。すると物置から何か持ってきて、プレゼントだと一言。

 
 
 
 
 
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 ロレックスのサブマリーナだった。一瞬何が起こったか分からなかったが飛び上がって喜んでいると、昔エジプトの露店で買ったパチモンだよとドッキリ大成功のカミングアウトが。本物(100万円を超える。車が買える値段)を腕にいつか帰って来いと言われた。なんだかいい刺激になったので戒めも兼ねて有難く頂いた。

12日日曜日

 前職の同僚と飲みに行った。家を買って家賃収入で食っていこうと考えている大学生(今の大学が3つ目の学位)28歳や、自然が好きでスイスへ移住を考えている21歳と将来のことを語った。ともにEU加盟国出身の彼らにとって外国に行くことはそれほど特殊なことではいらしく、経済圏ってすごいなと思った。

最後に

 なんだかんだ仕事が見つかってよかった。恥ずかしいやらなんやらあるけど、稼がないと帰れないんだからやるしかない。生きるか死ぬかのときにモチベーションなんてないって誰かが言ってたけど、まさにその状況。

 

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 それにしても1か月走り回っても1社しか受からなかった人間が、会社からオファーがかかるようになるとは。素直に嬉しかった。