Cafe hopping
先日の話。ここのところ滅茶苦茶寒いが、その日は晴れていたのでバイクでちょい乗り。向かったのは浜松の喫茶店だった。
どこかで見たことあるタイトルかもしれないが、そこは突っ込んだら負けね。
コーヒーに合うプリン
今回もジモティさんに教えてもらったお店。なんでも珈琲が飲めなかったジモティさんが、その喫茶店のプリンと一緒だと飲めるようになったとか。御前崎の八潮さんのプリンは「大人プリン」だったが、言うなれば大人の階段プリンだ。
そんなプリン、食べずにはいられないと思いバイクを駆ったが、着いたのは18時過ぎだった。
気取らない感じ
店内に入るとふわっと香る珈琲豆の香りと、ジャズが聴こえてきた。
香りは勿論珈琲豆の香りもあるのだが、なぜか昔何度か行ったことのある旅館の香りがした気がした。脳は香りを忘れないというから、何かつながりがあるのだろう。
広めの店内は座席とキッチンが半々くらいのスペースで、席は4人がけが3つのみ。店員さんはマスター1人だけだった。「どうだ、お洒落なカフェでっしゃろー!!」みたいな圧迫感がなく気取らない佇まい。シャレオツなところに疎い全身ワークマンのバイク乗りにも優しい感じで第一印象はGood。
まさかの売り切れ
でこれこれしかじかプリンを求めて来た旨を話すとまさかの売り切れ。なんでもスイーツ好きの間で人気らしく直ぐに売り切れてしまうんだと。
仕切りなおして珈琲の注文を始めると...深い!!!深いマスターだった。
三文芝居
実は最近エスプレッソがマイブームで。濃くて苦くて、これぞ珈琲って感じがいい。何よりそれに砂糖もミルクも足さずに飲めてる自分がカッチョイイ、なんて思っていた。
だから今回もエスプレッソを注文した。すると返ってきた答えは「なんでエスプレッソがお好きなんですか?因みに私は好きじゃありませんが」だった。こうして僕の偽りのダンディズムは浜松に散ったのであった。
濃いと苦いの違い
聞けばエスプレッソは蒸気の力を使った短時間での抽出法となるため、良くも悪くもコーヒー豆全部の味が出るとのこと。それは旨味やほんのりとした苦みだけでなく、エグみや雑味もらしい。
何も知らず何となくエスプレッソにはまっていたことを告白すると、出すまでに時間はかかるがマスター自身が美味しいと思う珈琲を出してあげようと言ってもらえて。待つこと30分。
ス○バの呪文
出てきたのは、今まで飲んだことがない、澄んだ一杯だった。あまりにスッキリした味でかなり衝撃的だった。しかも冷えてからも美味い。
聞けば紙や金属のフィルターではなく、(コットン・フラン)ネルと呼ばれる布(道具を見せて頂いたがおパンティみたいな生地。マジで)でドリップしてある珈琲で、蒸らした後は本当に一滴ずつ注いで淹れて下さったのだそうな。この一滴ずつ淹れる手法、点滴と呼ばれているらしくなかなか出来る人が居ないんだそう。しかもエスプレッソが好きと言う私の注文を組んで、少なめの量(デミタスと言うんだと。フラ語で1/2の意)にして下さった。
ス○バ風に言えば「フレンチブレンド・デミタス・点滴で」って感じ?とマスターに聞くと爆笑してもらえた。
1杯の珈琲から
マスターがエスプレッソを好きでない理由は、味の個性が強すぎることにあるんだとか。元パテシエということでプリン然りいろんなスイーツを作ってらっしゃるそうなのだが、それはあくまで珈琲と一緒に楽しむのが前提。だからこその、スッキリした味なんだと。珈琲1杯にもスイーツとのバランスを保つための拘りがあった。
「強すぎる個性は飲みにくい」「日常になると飽きる」。珈琲の話をしていたのに、何だか刺さる言葉だった。
最後に
その日最後の客だった自分は、マスターの珈琲談義と溢れ出るダンディズムを吸収。気が付いたら2時間も居座っていた。因みにプリンが売り切れだったのでパウンドケーキを注文した(実はマスター一番のお気に入りメニューとのこと)。珈琲合わせて¥900也。
濃いけど苦くない。必要なものを、必要なだけ。シンプルで気取らない佇まいが心地よいお店だった。
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