放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

富士山に登った話

遠い昔

 このブログを割と初めのほうから読んで下ってる方はご存知だと思うが、私は無類の日の出フェチで。富士山と朝日の構図を見るために、わざわざ早朝2時に埼玉から50㏄の原付を駆るほどだった。

 

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 で当時の同僚と「初日の出をどこから見るのか」という話をしていた時、白羽の矢が立ったのが富士山だった。しかし1月の冬山、厳冬期にずぶの素人が突っ込めばどうなるかなんて、結果は火を見るよりも明らかで。結局初日の出も、まして登山すらも保留となったままだった。今回の話は、そんな富士山に3年越しに挑戦するというものである。ちょっと長め。

もう一つの3年越し

 そんなこんなで迎えた週末。実は今回の登山はソロではなく、富士山5合目で待ち合わせている人がいた。

 3年前ベトナムで会った日本人の友人である。出会ったのはホーチミンの現地ツアー。そこから3日くらい行動を共にし、連絡だけはずっと取りあっていた。彼の一番のキワモノエピソードは、ネパールはエベレストの麓からハガキを送ってくれたこと。年はずっと上だが、何歳になっても挑戦し続ける人はやはりカッコいい。

 で折角私も東海住みになったし富士山登りたいって話をしていたら、遥々東北から来てくれることに。さしずめ富士山のシェルパといったところ。

吉田ルート

 3年ぶりの再会を喜ぶのも束の間、ストック代わりに金剛杖を現地で購入しお昼前に登山開始。中くらいの長さ、1500円也。

 スバルライン頂上5合目は出発時点で既に霧雨。最初は雨でも動くから良かったが15時を過ぎたころから急に寒くなり、夏山=暑いって先入観で来た私にはかなりきつかった。装備はゴアテックスのイギリス海軍ジャンバーにワークマンのカッパ、その下はシャツ1枚。雨は凌げても、寒さばかりは耐えるしかなかった。

元祖室

 宿を結構上の方に取っていて(日帰りで行けるかと思っていたが、バチ早朝に出発しないといけないだろうし危ない。公式もそんなこと言ってる)、7合を超え8合に入った頃には足を引きずって歩くぐらい体力を消耗していた。まあ登山経験は0で登った山といえばロープウェイで高尾山に行ったくらいしかなかったのでバリしんどかった。初心者は7合までに宿を取るといいかも。

 ホントに何もない、フェリーの客室のような小屋だったが用意してあった寝袋と毛布、そして夕飯で出たカレーがほんとに温かく有難かった。

迷い

 富士山に来れば皆考えることは同じ。日の出キャッチである(調べると、「特に山の上から見る日の出」のことを御来光というらしい)。しかし0時くらいまで大雨強風が続いていて、御来光は諦めようかとも話していた。歴戦王のシェルパマンはさておき、私はズブズブの山初心者で若干頭痛も出ていたので先ずは無事下山を目標にしようという話に。さらに8合から頂上までは道も狭いし何より暗いので進むペースも遅く登山者の渋滞が起き、早く起きても寒さで体力を消耗するだけだというシェルパマン。   

 早朝協議し、下山に時間を割くためにとりあえず出発しようということでam1時からアタック開始。出際山小屋の人からは、「雲が厚く御来光は見れないかも」と言われたが、とりあえず上を目指した。

夏もあけぼの

 幸運なことに出るころには雨も止み、日の出前に無事登頂。途中振り返って下を見た時に、他の登山者のヘッドライトが一つの線に見えて、あれはあれで面白い光景だった。山頂も雨は降っておらず、強風のみ。吹き付ける風の中、寒い寒い言いながら暗い地平線を見ているとやんわり明るくなり始めて。次第に鮮明に見える雲海を前に待つこと小一時間。ついに日の出が見えた!!

 
 
 
 
 
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 枕草子の「ようよう白くなりゆき~」ってのはこういう景色を言うんだろうなとかちょっとおセンチに浸った瞬間だった。

ゴリゴリ

 もう一つ念願だった山頂で飲むコーヒー。ライターのガスが切れたので優しいオジサンに火を分けてもらい、沸騰を待つ間ミルをゴリゴリ。寒さで悴む手で手元が狂い、フレンチプレスにちょっと粉が入ってしまったがまあよし。特別な場所で特別な人と飲むコーヒーはやっぱり美味かった。

最後に

 実はちょっとしたチャレンジをしていて。知っている方もいるかもしれないが、KEENというメーカーのサンダルで今回登山に挑んだ。それは流石に凍え死ぬでしょって心配になるような半袖、短パンといった軽装で来ている人はちらほらいたが、サンダルは見たところ私一人だった。(KEENにサンダルの試作品もらえたらバリバリ酷使して耐久性検証するのになぁ。開発者の人読んでくんないかな笑)

 
 
 
 
 
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 無事事故もなく下山し、帰宅。兎に角山にいる時は寒さに凍えている時間が大半だったが、思い返すと雲海も、諦めたはずの御来光も見て無事に帰れて超ラッキーだった。因みに翌日は初冠雪。マジでラッキー。