放浪記

LightManの放浪旅行記。東西南北ふらふらと。

海外でバイクの免許を取った話

連勤の果てに

 先週は週4で仕事だった。ついに以前は信用されていなかったからか許されなかったオーダーを、取ることが出来るようになった。当然チップもバンバン貰えるわけで、5時間働いて6.7時間分のお金が得られることは嬉しい。一回のチップの最高金額はスタバ時代にもらった£10紙幣で、今の職場では専ら硬貨だけなので上を目指したいところだ。

 そんなこんなでスタバ時代の月収の半分を一週間で稼いだのでちょっと有頂天になってしまった。概算でこのままのペースで稼ぐことが出来たら航空券を買ってもおつりがくる。というわけでやってしまったのだ。我慢できなかった。そう、バイクの免許取得である。

UKライセンス

 UKは今日までは(凄くタイムリー。これからボリス・ジョンソンがEU離脱に向け本格始動。なおこれから何が起こるかは誰にもわからない。)EU圏内なので互換性がある。ここからはUKのバイクの免許制度について書く。免許は二段階認あって最初はProvisional license(仮免、緑色の免許証)、最後がFull license(本免、青とピンクの免許証)である。

 そして面白いのはCBTという試験というか講習(勿論ちゃんと走れなかったら終了証は貰えない)を終えると、仮免のまま公道を走ることが出来るのである。しかしLプレート(日本の自動車教習所で言う第二段階の「仮免練習中」の札。DeliverooなるUK版ウーバーイーツのバイクの兄ちゃんがバイクに貼っている。)をつけること・125㏄以下であること・高速道路(アメリカではfreeway やHighwayと呼ぶがUKではMotorwayと呼ぶ)は走らないこと・二人乗りはしないことの条件がある。有効期限は2年間でそれまでに本免を取らず期限が切れたらまた一から講習を受けなければならない。

 本免を取るにはCBT・筆記テスト・二段階の実習テストに合格する必要があり、日本同様難しいし一発合格でも£700近くかかる。有効期限は10年で更新時には講習の必要なし。

晴れのサマセットにて

 というわけで貧乏学生の自分が今回取ったのは勿論CBTだ。それでも高く£130也。朝の8時に隣町ケイシャームに間に合うように6時に起床。自転車を駆ること1時間で目的地に到着。しかし着いた場所はどう見ても廃墟で気味が悪かったが、ぼろっちい建屋の一棟がオフィスだった。しかも校舎の周辺にはどうやら場内教習できそうな場所は無いしで、高いお金を払ったはいいもののどうしたもんかと思っていた。

 心配の中教習が始まった。先ずは30分ほど座学。他の3人の受講者と自己紹介をしあうと免許失効と免許取り消しそして僕を合わせた新規がもう一人だった。座学は主にバイクに乗る際にどういった装備が必要なのかという話で、法律上は免許や保険プラスヘルメットがあればOKという内容だった。

海を越えた日本車

 座学の後早速移動。トランポにバイクを積み込み近所の大きな駐車場へ。なるほどバイクをバンに積んで移動すれば、敷地内に教習所がなくてもいいわけだ。

 

www.1jpsho.com

 でトランポから出てきた教習車がなんとホンダ。昨年10000キロ弱乗ったホンダに遥か異郷の地で再びお世話になるとは。他の人からすれば日本で教習車がBMWみたいな感覚だろうが、自分にとっては安心感しかなかった。エンジンをスタートさせた瞬間ケツの下から響きだす音、ハンドルに伝わる振動。一年間のイングランド生活で唯一満たされなかった欲求が満たされた瞬間だった。

初めての路上教習

 面白いのはここから。日本ではバイクの免許を取る際自動車のような路上教習はなく、全て場内で終わる。しかしここはイングランド。昼休憩の後、教習官が言い出したのは「公道に出るぞ」って話。まだ4時間も練習してないのにもう公道に出る?・死んだらどうすんの・危なくないのか。いろいろ頭をよぎったがまあ郷に入れば郷に従え。ってなわけで公道を走った。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by Light Man (@1jp_lightman)

www.instagram.com

 ただ出てみると日本と同じ左側通行だし想像以上に走りやすかった。YAMAHAの600㏄を駆る教習官をもう一人の教習者と前後に挟み、インカムで指示を受けながら走行した。不安だったランナバウト(UKでは信号削減のために多く用いられている)も、やってみると意外と簡単だった。ベトナムでバイクに乗った時ランナバウトに遭遇して一か所あたり3周ぐらいグルグルしていたので、今回は一回ですんなり行けて嬉しかった。

 途中教習官が「日本人のお前に俺の愛車を見せたい」と言われ、路上教習中にも拘らず教習官の家に寄り教習官がバイクをチェンジ。ホンダの1000㏄に乗った教習官の後ろでバイパスを60マイル(100㎞/h近く)で駆け抜け、念願のCBTを取得した。

最後に

 セールストークなのか教習官に技術的には本免も狙えるよと言われ、もう少し早く挑戦しても良かったなと思った。しかし教習官の指示をしっかり理解できたのは今だからこそできたことだと思うので結果オーライだ。それに何より、マン島に行く程バイクに乗ることが好きな自分が、この国でバイクに乗れてしかも公道を走ることが出来たというだけで嬉しかった。

 

www.1jpsho.com

 この教習場、保険料込み一日£50でバイクをレンタルしている。労働目的でなければ(つまりDeliverooしなければ)OKなので、帰国前に一度使ってみたい。